ITストラテジストは国語の問題かな

IPA ITストラテジスト入試

平成30年度秋期試験のITストラテジストの試験が最後の平成、10月21日におこなわれる。
何を思ったか夏休みにこれをうけるぞと思い立ち、申込ました。
さっそく勉強の本を買って試験問題をパラパラ見ていますが、これ国語の問題??
およそSIer長年いて言葉をある程度知っていて、国語ができれば行けるんじゃないか?と8/26日、試験勉強開始1日目で悪魔的油断。

こういう時は危ない。といっても、この手の合否が出る試験って、自分は生まれてから落ちたことないからなあ。

www.jitec.ipa.go.jp

これからは銀行がスマフォアプリにってのは本当のようだ

金融関連サービス利用経験 10代は「銀行アプリ」、20代~60代は「オンラインバンキング」が最多

自分のような40代だと、オンラインバンキングはPCのブラウザ上でやるものと思っていたが、10代は、スマフォのアプリでバンキングするのが普通と感じるようだ。
自分も最近使いだしているが、非常に便利。スマフォ上でできるというのもあるが、それ以上にUI設計がすばらしく(正確にいうと「すばらしいものもある」)、よく使う機能が簡単に使えるようになっている。
確かに、今後銀行は、スマフォによるセルフサービスと+より人との対面であることに付加価値を出すスマート店舗という構成になっていっていくのは間違いない。

金融関連サービスの利用経験のみを年代別で見ると、各年代の利用上位3つの順位は10代が「銀行アプリ」「家計簿アプリ」「オンラインバンキング」、20代~40代は「オンラインバンキング」「銀行アプリ」「クレジットカードアプリ」、50代は「オンラインバンキング」「銀行アプリ」「NISA」、60代は「オンラインバンキング」「NISA」「銀行アプリ」の順となった。

www.itmedia.co.jp

Smart bankに関する海外のレポート

Designing the Smart Bank - How banks can deliver the experience digitally native customers want.

デジタルトランスフォーメーション100本ノック

いろんなコンサルのDigitalに関するレポート集

DXについて偉そうなことを言いたいあなたは、毎日下記のサイトをクロール、読んで、自分の頭でまとめていくべし。英語の勉強にもなるぞ
自分は毎日3本の記事を読んでまとめていくことを日課としている(※ やっているとは言ってない)

AT&Kearney

www.atkearney.com

Harvard Business Review

hbr.org

DigitalTransformation

www.digitaltransformation.technology

DXに必要なものは、結局「決意」

「2021年、日本のGDPは半分が『デジタル』に」日本MSが調査発表

半年前の記事だが、良いことがいくつ書かれているので。

なおIDCにおける「デジタルトランスフォーメーション」の定義は、「第3のプラットフォーム」を活用して新しい製品/サービス/ビジネスを展開し、顧客体験の変革を図ることで価値を創出、競争上の優位を確立すること。幹部や従業員の思考/行動様式が“DXファースト”な企業を「デジタルネイティブ企業」としている。

Fail-fastって簡単に言うけど、やはりFailしてもいいかもという上振れした際の期待値を見通せないと、簡単にはFailできない。 演繹的にはわからなくても、ある程度は直感で見通しそれでもやる強い決意が必要。佳子のデータの分析してDXの何かタネが見つかると思うのはあまり良い考えとは言えない。

リーディングカンパニー/フォロワーの間での経営方針の違いは「破壊的テクノロジーへの関心」「ビジネスの俊敏性とイノベーション文化」「DXの効果に対する定量的な評価」「AIとIoTへの投資」といった点に見られ、リーディングカンパニーの組織文化としては、「Fail-fast、Learn-fastのアプローチ」「コラボレーションや俊敏性の高い成熟度」「全社的な意思統一」「DX推進の専任役員(CDO:最高デジタル責任者)設置」「DX部門への予算割り当て」などの傾向が強いという。

ascii.jp

アクセンチュアも悩んだデジタルトランスフォーメーション「6つの障壁」

DXを阻害する要因は、アクセンチュアもほかの専門家も同じようなことを言っている

techtarget.itmedia.co.jp

  • ITベンダーのLogicalisによる「Logicalis Global CIO Survey 2017-2018」
    • デジタルトランスフォーメーションの上位3つの障害であることが示された。スキル、セキュリティ、デジタルトランスフォーメーションへの関心不足も、障害として挙げられている。
  • Harvard Business Reviewの調査レポート
    • デジタルトランスフォーメーション実現への上位3つの課題として、「試作に時間がかかること」「レガシーシステム」「業務が縦割りで、横断的な連携が取れないこと」を指摘している。これらに続く課題は、「IT部門とビジネス部門の協力不足」「リスク回避的な文化」「変更管理能力の低さ」だという。
  • グローバル経営コンサルティング会社Bain & Company
    • レポート「Six IT Design Rules for Digital Transformation」
    • クラウドをデジタルトランスフォーメーションの主要要素と位置付け、今日の企業には、下記の3つが必要
      • マルチクラウド環境
      • 組み込みセキュリティとコンプライアンスポリシー
      • ビジネスとの深い整合性に起因する複雑さを管理する、調整しやすい技術インフラ
    • IT部門は、限られた分析機能しか利用できない環境や、面倒な手動の業務プロセスから脱却し、ロボティックプロセスオートメーション(RPA)や機械学習人工知能(AI)などの新興技術を実装することで、従業員がデータを活用して迅速な意思決定をする俊敏な組織の実現に貢献しなければならない
  • SaaSプロバイダーMuleSoftの創業者で、製品戦略担当副社長を務めるロス・メーソン氏
    • クラウドや高度なアナリティクスは、今日の企業が市場で競争する上で必要な技術的なアジリティーを確保する鍵だと指摘する。「自社のモダナイズを目指すCIOは、今後10年にわたって拡張していけるソフトウェアを構築するための適切なインフラがなければ、成功は望めないだろう」
    • デジタルトランスフォーメーションを実現するモノのインターネット(IoT)や機械学習、AIといった新しい技術に投資できるCIOは、ビジネスと整合性の取れたIT展開を進め、そうしたIT投資がもたらす価値を示す指標を開発することで、CEOの後押しを受けているCIO
  • Accenture ビシロビッチ氏
    • 構築途上の新しい環境の中で働くのに必要なスキルを習得して、変わらなければならないことを悟った。「学習プロセスが発生する。チームをいったん壊すことも必要になる」
    • 変化の速さに対する適切な距離感
      • クラウドプロバイダーは、企業のIT部門が経験したことのない急速なペースでイノベーションを進めている。そのためにIT部門も社内のユーザーも、絶えず変更に追われる羽目になりかねない。そうなれば、変更のたびに貴重なリソースが費やされ、従業員は新しい機能への適応を何度となく繰り返さなければならない
      • 「企業向けにリリースされる変更の量は増える一方だ。従ってIT部門は、それらの新機能をどのようなペースで取り入れられるかを判断しなければならない。CIOは一歩退いて、『新機能の導入に関して、管理策、戦略、方法論を持たなければならない。さもないと、会社に絶えず膨大な量の変更をプッシュすることになってしまう』と言わなければならない」とビシロビッチ氏は語る。
    • 「セキュリティに関する懸念が、Accentureのデジタルトランスフォーメーションの障害となった」。 アクセンチュアでは早い段階から、クラウドへの移行を進めると、脅威のレベルが高まることが認識されていたという。
    • Accentureが掲げていたデジタルトランスフォーメーションの野心的なスケジュールを守るために、まずIT部門とCISO(最高情報セキュリティ責任者)が強力なパートナーシップを築いた上で、新たに導入する技術が自社のセキュリティニーズを満たすことを確認する認証プロセスを設けた
      • Accentureはこの認証プロセスによって「『われわれが利用したいプラットフォームによって、われわれの許容範囲以上のリスクにさらされることはない』という合理的な保証を提供している」
  • ソフトウェアベンダーIFS
    • 意思決定者の3分の1以上が、「人材不足のために、デジタルトランスフォーメーションに対応する準備があまり整っていない、あるいは全く整っていないと思っている」ことが分かった。
    • このように現状を懸念している意思決定者が人材不足に直面している分野は多数あり、特にビジネスインテリジェンス(BI)、サイバーセキュリティ、AI、ロボット、ビッグデータ/アナリティクス、クラウドが顕著
    • 回答した企業の意思決定者の39%が、デジタルトランスフォーメーションの障害として「セキュリティ上の脅威と懸念」を挙げた。
  • コンサルティング会社SYPartnersのスティーブ・セメルスバーガー社長
    • 「ビジネス部門とIT部門を奮起させるほど良くできたデジタルトランスフォーメーションのストーリーがなければ、なかなか取り組みに弾みがつかない。CIOの戦略計画は、主要なビジネス展開とのつながりがないこともある。それでは、計画に見合った資金やリソースが確保できないかもしれない」
    • 「彼らは魅力的なストーリーを作り、上手に伝える。デジタルトランスフォーメーションの明確な目的とビジョンを定義する。やろうとしていることを、一連の思い切った施策として、分かりやすく印象的に整理する。デジタルトランスフォーメーションを会社の主要な成長目標と結び付ける。人々が取り入れるべき新しい考え方、行動、スキル、チームモデルを言葉で表現し、力強く推進する」

Six IT Design Rules for Digital Transformation - Bain & Company

レガシーをレジェンドとよぼう

API連携とデータ連携、レガシー延命のコツ

tech.nikkeibp.co.jp

デジタル化を推進する際のボトルネックになるのが、老朽化した情報システム。つまりレガシーシステムである。今、企業はレガシーシステムの解体を迫られている。レガシーシステムの作り直し方や延命方法、クラウド移行などのノウハウを徹底解説する。

デジタル化のボトルネックになっているのが既存の重要システムつまりレガシーシステムだ。

たとえば、MF上で、言語はCOBOLCとJCL。尋常でないバッチシステムで設計書は陳腐化。メンテできる人は還暦.数人
.
こういったシステムに「延命?」とか「なるべく中身を触らないように???」とか「(ホースで?)連携??」とか。おいおいレガシーは病人かよ。
そんな状態でも基幹系として常に動いているし、きっちり保守開発をやり切っておるのだ。 そういうシステムはレガシー(遺産)ではない。 レジェンド(伝説)だ

なまずは最敬礼やで。その後どうするべきか、俺も知らん

書評: 「デジタル革命時代における保険会社経営」

「どういった状況の顧客にも対応をするために、DXの戦略から戦術レベルまでを一通り様々な観点で把握したい」人にはお勧めの一冊

デジタル革命時代における保険会社経営

デジタル革命時代における保険会社経営

前置き

このところ、IT業界において「DX(デジタルトランスフォーメーション)」という言葉を耳にしない日はないといっても過言ではない。DXとは、Wikipediaによると「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させるという概念」ということである。 DXは、無視できない重要な概念である一方、非常に曖昧な概念である。

ゆえに、DXに対し、企業はどのような戦略を取るべきなのか、コンサルファームやSIer、ITベンダは何を顧客に提供すべきなのか悩むことになる。というのも、DXがあいまいな概念であるがゆえ、顧客企業自身が、DXで目指すゴールを描けていないことが多いためである。 さらにいえば、顧客企業の業種(銀行、保険、流通、製造など)や置かれている状況(市場の成長率や企業の競争力など)、相対する顧客の企業内での立場(CxO、情シス部門、ユーザ部門、"デジタル推進室"など)によって求められていることが大きく異なるためでもある。

このような背景ゆえ、私のようなSIerの中の人は、どういった状況の顧客に対しても一定の対応をするために、DXの戦略から戦術レベルまでを一通り様々な観点で把握している必要がある。本書はこの必要性に応えてくれる一冊である。タイトル通り生命保険会社を取り上げているが、内容の枠組みはどのような業種にも当てはまるものであり、保険はあくまで事例ととらえて読み進めることができる。

本書の構成

本書は、約150ページであり、a) DX戦略(1,2章)、b) DXの3つの革新(3,4,5章)、c) 革新を支えるIT基盤・組織能力(6章)で構成されている。

DX戦略

通常の戦略とDX戦略を分けるポイントは何であろうか? 本書は重要な観点として「業界構造のスタック化」と「市場に対する脱平均化視点」をあげている。

スタックとは、バリューチェーンを縦の構造とすると、横の構造を意味する。過去、金融業界はバリューチェーンによって垂直統合された企業(群)同士が、規模を価値の源として競争していたのであるが、今後、スタックによって企業機能が再整理され、そのレイヤーごとに異なる種類の競争・協働が生じるというのである。これは、コンピュータ産業を想起すればわかりやすい。つまり、DX後の世界では、企業はスタックのどこを自社の強みとし、どこを他企業と協働すれば競争に勝ちうるのかが戦略そのものであるということである。 一方、脱平均化とは、全体をマクロの視点から考え、大きな「マス」としてとらえるのではなく、より細かく分解してとらえることにより異なる特性やトレンドを発見することである。つまり、「市場に対する脱平均化視点」とは、市場に対するより細かくかつより適切なセグメンテーションと個々のセグメントに対する適切なアクションを実行した企業が勝つという考え方である。

1,2章は、この2つの観点を説明し、シナリオプランニング、DAI(Digital Acceleration Index)、エスノグラフィックリサーチ、デザインシンキングなどの手法を用いた施策の抽出・ロードマップ策定に至るコンサルティングの進め方について説明している。

3つの革新、IT基盤と組織能力

DXは曖昧な概念であると述べたが、本書によると、i) 商品/サービスモデルの革新お(3章)、ii) チャネル・顧客接点の革新(4章)、iii) オペレーションの革新(5章)に整理できるという。この整理は、この本のみの主張というより、一般的な主張のようであり*1、それほど斬新な主張ではないもの、生命保険業界という具体的なドメインで説明しているため非常に理解が進みやすい。さらに、このような革新に、どのようにAI・データ活用、オムニチャネル、デザインシンキング、RPAといったデジタル技術がどう貢献するのかも説明されておりわかりやすい。
個人的には、3章のデータ活用を用いた場合に生命保険の商品やサービスがどう変わっていくのかという議論の整理が、特に役に立ちそうに見えている。

ここまで示した、戦略や新しいビジネス革新を実現するためには、当然それを支えるIT基盤や組織のケイパビリティ醸成が必要である。 結局のところ、コンサルやSIerが最もお金を取れるのはこれらを請け負うことなので、その意味でこの議論は重要である。6章がこの議論に割かれている。IT基盤についていうと、To-Beのアーキテクチャにおける①顧客設定レイヤ、② プロセスと意思決定レイヤ、③ 基幹系システムレイヤ、④ セントラルデータレイヤ、⑤ クラウドベースインフラレイヤ、⑥ (レイヤ間)インテグレーション・セキュリティレイヤ、という分類は非常にわかりやすく、どの業界においてもデジタルアーキテクチャとして使いまわせそうである。 また、組織のケイパビリティ醸成については、IT-CMFを用いた組織能力のアセスメント手法と組織構造の再設計モデル(黒船モデル、出島モデル、宣教師モデル、遣欧使節モデル)というのが紹介されている。

こういう端的に整理されたアーキテクチャ、ツールやモデルを使う(使えるように見せる)のがコンサルの真骨頂と言えるが、確かにこういうのを紹介されると、まずはこれをベースに考えようとなる。こういった端的に整理された抽象的なartifactを作るというのはやはり彼らしかできないところだなと思うし、聞くところによるとこういうartifactを作るという行為にコンサルは相当お金をかけているらしい。

まとめ

総じて「どういった状況の顧客に対しても一定の対応をするために、DXの戦略から戦術レベルまでを一通り様々な観点で把握したい」人にはお勧めの一冊だと思っている。いまいちDXの進め方がわからない顧客やチームにおいて、本書にちりばめられているモデルやプロセスを念頭においてファシリテートすると、ある程度議論が進むだろう。ただ、全体が抽象的な記述と一事例で構成*2されているので、この本を読めば細部までやり切れるのかというとそういうわけにはいきそうにない。 また、IT基盤において、どうやって生命保険業界特有のお化けのようなレガシーシステムをDXに対応させていくのかというSIerが最も頭が痛い部分についてはほとんど触れられていない。 そういう欠点はあるものの、少なくとも買って損はない良書と思う。


# ほかにもこういうのもある。これは事例が弱い感じ

ヘルスケア産業のデジタル経営革命 破壊的変化を強みに変える次世代ビジネスモデルと最新戦略

ヘルスケア産業のデジタル経営革命 破壊的変化を強みに変える次世代ビジネスモデルと最新戦略

*1:IVIでは、MAKE, SELL, OPERATEに分類されている

*2:といっても5章あたりからは事例の具体がかなり弱い

PrinceのArt Official Ageはよかった

PrinceのArt Official Ageはよかった

今でも通勤中にPrinceをよく聴いているのだが、主には1999、Purple Rain、Around the world in a day、Parade、 Sign 'O' the Times、Lovesexyあたり。
で、たまにはと思って晩年のアルバムも聴いてみたら思いのほかよくて最近のヘビーローテーション。 もしかしたら、全盛期を彷彿させる出来なのでは。

アート・オフィシャル・エイジ

アート・オフィシャル・エイジ