Wiiのビジョン

 本当かどうかは知らないが、Wii開発チーム(というか商品戦略決定チームというべきか)においてPS3との差異化コンセプトをもっとも端的に表す言葉として掲げられていたものが「お母さんに受け入れられるゲーム機を」だったそうだ。
 確かに、「お母さんに受け入れられる」というのは、今までにはない、ゲーム機に対する新しい価値観である。だから、営業さんにとっては、新しい市場をつかみそうだなあと思わせる言葉だし、開発者にとっては、それってどんなゲーム機だろうと思わせる言葉である。この言葉を考えた人ってなかなかすごい。
また、自分の保有する技能を価値としてくれるステークホルダは誰なのかを改めて認識せよということ教えてくれる話でもある。ゲーム機のユーザは誰?といえば、それはもちろん子供である。だから、子供のほしいものを作るのが当たり前だが、実は、金を持っているのは誰だ?お母さんじゃないかという考え方もあるということだ。俺らの世界で言えば、ソフトウェア工学で恩恵を受けるのは開発者だが、お金を出してくれるのはそのシステムの開発をお願いしている経営者だったりするのだ。

もちろん、Wiiが失敗したら「子供の心を読めなかったWii」ということになるわけだが。