BPO(Business Process Outsourcing)(1) 〜 戦略的にBPOせよ。

確か,2007/1/27の日経新聞に載っていた記事.なぜか、キャッシュしかない。
富士通とかNTTデータとか大手SI業者がBPOの請負を新しいビジネスにしているという話。

IT(情報技術)大手が、顧客企業の業務を一括して請け負うBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)事業を一斉に強化する。富士通グループは二月に専門拠点を開設、NTTデータも四月に本格参入する。雇用形態の多様化や労働人口の減少を受け、BPO市場は高い伸びが期待できる。IT各社は情報システム開発や運用代行と並ぶ主力事業と位置づけ育成を急ぐ。

 SI企業サラリーマンの端くれとしては、どのように請け負うとよいBPOビジネスになるかという考察をすべきなのであろう。しかし、まずは、BPOする方の心構えについて私の経験から一言いいたい。
 つまり戦略的にBPOせよということだ。戦略的とはどういうことかを私の経験で示そう。以前から,私は「Big Tomorrow」とか「日経アソシエ」などのように,「根本的な人間としてのコンピテンシの問題」を「論理性のない精神論」,「安直な行動様式論」や「小手先のスキル」の問題に矮小化して説明してくれる雑誌が大好きで,いつも読んでは三日坊主で実践していた.
 そこにあったのが,「自分のコア・コンピテンシを持て」って話.つまり,自分のコンピテンシは何かを考えて,その向上に価値のあること以外はするな.時間というもっとも貴重なリソースを考えれば,金で解決できるなら金で解決して時間を確保せよ.という話だった気がする. 実践した. つまり家事の一切は金で解決することにしたのだ.たとえば,ご飯は全部外食.洗濯はコインランドリかクリニーニング.家も会社に近いところにして,無駄な通勤を省いた. その結果,自分が使える時間が増えた.その結果,何が起こったか.俺は「昔よりたっぷりテレビを見て,ゲームにはまるようになった」のである.これでは何の意味もない.結局,外に出した分,余計に金がかかり,さらに余計におれ自身は堕落しただけだった.
  実は,戦略のないBPOはこれに似ている.業務を投げた場合,確かにその業務にかかるコストは、以前内部にその業務を持っていた場合と比較して下がるかもしれない(俺の例では高くすらなっているが).しかし,それ以上に、「じゃあ,それであまったリソースはどうするのか?」という戦略がないと,俺と同じ過ちをするのである.典型的にいえば、BPOで必要のない人間が出てきたときに、彼らをリストラできるのか?できるならば、少なくとも一時期の原価は下がるので一時的な利益向上に対しては意味はあるだろう。しかし、リストラすらできないなら人件費は一向に下がらないわけで、恐ろしく何の意味もない。BPOによって、余るリソースが削減出来る種類のものなのかは、BPOが功を奏するかの観点で見れば重要である。さらにいえば、本質は実はそこではない。本来は、そのように余ったりソースをより価値の高い処理に割り振ることを目的とするのがBPOの本質であるはずなのだ。本来、絶対的に重要な価値を持つ「時間」は削減できないリソースであり,そのあまったリソースをより高い価値を出せるようにする戦略があるべきで、それこそがBPOなのである.そういうことを考えておかないと,結局、BPOは、無駄なコミュニケーションロスを生むだけで、なんら企業価値の向上には貢献しないのである。
 ま、そんなわけだけど、明日以降は、BPOを受ける側がどのような形態で契約をし、どのような開発プロセスメタファでBPOの実務をすべきかについて示してみたい。っていうかVistaのフォントって何てきれいなんだろうか。ほれぼれする。