Web2.0に創造主の姿を垣間見る

 木構造に分類したり、分割したりするのは難しい。組織は権限と責任を委譲するために階層構造の組織を作る。初期のWebサイトは、Yahoo!というサイトによってディレクトリとして分割された。ファイルもそうだ。プロジェクトは、PMBOKによるとその成果物を分割してWBSに分割する。ゴール分析とはゴールをツリー構造に分割することだと思われている。
 しかし、どうだろう。階層構造の組織は、「官僚制の弊害とか縦割り組織」などと揶揄され、マトリクス組織を構成した時限的プロジェクト制やフラットな組織が推奨され、Yahoo!ディレクトリは、Yahoo!のサイトの下のほうに追いやられ、ファイルもWebサイトも、Googleやハテナによって全文検索やオブジェクト側のタグ付けによる分散的、動的なグループ化というWeb2.0的な発想による分類がスタンダードとなり、プロジェクトのWBSの分割が難しいおかげで俺には残業代が入り、ゴール分析の目標は、実はゴールをツリー構造でなく、非循環グラフ構造にすることである。「問題」などは木構造に整理できただけでMECE*1いう尊称を受ける始末だ。この業界にいると、XML*2とASTだけがツリー構造にプライドを与えている気がする。最近Excelばかり見ている俺は、テーブル構造の便利さにも改めて敬意を表しだす始末だ。
 けどだ。動物はきれいにツリー構造に分類されている。もちろん、生物学の偉い人ががんばってきた成果だろうし、俺は生物に詳しくないからなんともいえんが、動物はそんなに無理もなくツリー構造に分類されている。これはすごいことではないだろうか。何かこのすごさを統計的に証明できないだろうか。 統計的に証明するまでの気力はないが、俺は、これは、誰か設計者がいたからだとしか思えない。つまり、創造主の存在だ。創造主が、ある程度まではツリー構造で体系化した動物のクラス群を作ったとしか思えない。創造主が、インスタンスを作ったかどうかは知らないが、動物の分類のためのツリー構造と動物のクラス、そしてインスタンス作成ガイドラインとか作成実施要領とかぐらいは作ったのではないか。
 俺は、ゲーデルですら到達出来なかった神の存在証明の入り口にたっているのかもしれない。っていうか、梅雨が近づいてきたな。やだね。

組織戦略の考え方―企業経営の健全性のために (ちくま新書)

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↑ いいことが書いてある。
ゲーデルの哲学 (講談社現代新書)

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↑ 難しすぎて全然わからない。

*1:Mutually Exclusive collectively Exhaustive:相互排他的かつ完全に網羅的に分割している状態という意味か

*2:といってもRDFとかねえ。LDAPにおいて、DNによる木構造表現をしなくなったのと同じ道を歩むのか