CMMIと検察庁

CMMIのモデルとギャップ分析の話を今読んでいる。それで思うが、あのギャップ分析やそれに続くアプレーザルのやりかたってのは、監査系の基本的な手順なんだろうけど面白いね。基本的には「事実を真実にする」作業だ。この監査系の一般的な手順を聞いていると、昔とある刑事裁判の重要参考人として検察庁に呼ばれたときのことを思い出す。
検察庁の人に「Aという事実を確かなものにしたいのであなたの証言が必要です」と電話されて、二つ返事でいいよ。って言ったのがはじまり。つーか、検察庁に行って「Aです」って言って帰ってくればいいんだろう。と思いきや違った。

検察庁の人「Aが事実であることを客観的に示さなければならないんですよね」
「そうなんすか」
検察庁の人「あなた、X月X日に大阪に行って、おそらくBって事をしてますよね、そう、たしかYっていうホテルに泊まっている。で、そのBをしていれば、当然Aが事実かどうか判断できる状況にありますよね」 
ここで、まず俺がX月X日に大阪に行って、Yっていうホテルに泊まっていることをさも当然のように知っていることに驚く。
「まあ、そうですよね」
検察庁の人「じゃあ、Bという事の間、どこでAという事実に気づいたかを証明するために、Bっていうことを本当にしていたことを客観的に証明する必要があります。なので、まずは、その内容を詳細に示してくれますか?」
なんで、Bって事を詳細に述べなければならないのかと疑問を感じつつ、検察の人の圧倒感に押されてしゃべってしまった。

しかし、確かに監査の観点で考えれば、俺が「Aです。間違いありません」といっても客観性という観点から、何も意味ないわけで、このような方法を取るのは当たり前だ。しかし、彼らの情報収集能力と、厳しいインタビュー調査には参ってしまった。すげーな、あれ。

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水道橋博士が、警察のお世話になった時に刑事が言った言葉が「事実を真実にする」だ。
そのほか、刑事が博士に語る、「お前の人生は本当に幸せだな、俺はなあ、犯罪者の身の上の調書を作る過程で、何百の哀しく、寂しい自叙伝を書いてきたんだよ」という意味の名言も好きだ。
とりあえず、水道橋博士の文章は俺の憧れの一つだ。