ベストプラクティスアプローチの罠

ベストプラクティスアプローチの罠。いろいろあるのだが、その一つ。「良い組織は、XXというプラクティスを実践している組織である」。複数の良い組織のプラクティスを収集して、このような命題を帰納的に真と認定したものの集合がベストプラクティス集と言える。当然、この対偶である「XXというプラクティスを実践していない組織は、良い組織ではない」。現実怪しいとはいえ命題論理的帰結としてこれは真。
 しかし、「良くない組織は、XXというプラクティスを実践していない組織である」という裏命題や、「XXというプラクティスを実践している組織は良い組織である」という逆命題は、決して命題論理的には真とはいえない。(結果的に正しい場合も多いだろうが、論理的帰結で真になる命題ではない)。このごく当たり前のことを意識していない人は意外に多い。