10分で作れる書評
私が書評をとあるところで載せていることはあまり知られていない。 まあ、言っていないからであるが。
そんなわけで、ここでそれなりの書評を一瞬で書くコツをご紹介しよう。これを読めば1000文字程度の書評はだれでも書けるようになると思う。この技術は自分のblogに書評とamazonへのリンクを書くことによって稼ぎまくるためにも使えると思う。(リンク先のようなすごい書評を書けるコツではないが)
書評で必ず書くべきこと
書評で含んでいるべき必須要素は4つだと思っている。
- 価値判断:一言で言うとこの本はどうなのかという主観的判断
- 価値観:主観的判断をした背景となる書評者の価値観
- 内容: 価値観を元に価値判断になった本の内容
- 価値判断過程: 価値観を元に本の内容がどのように価値判断のになったかの論理展開
結局、これらを読者に理解してもらえるように書いておけば終いである。
価値判断
価値判断とは、結局この本は面白かったのかつまらんかったのか、役に立つのか立たないのか、お勧めするのかしないのかとかとかだ。別に直接的にこれらを書く必要はないが、この価値判断が書評全体として貫かれているようにしないといけない(特に1000文字程度の書評の場合は複数の価値判断を入れるのは良くない)。書評とは自分の主張がメインなのでこれがないとだめです。で、残りの要素はこの要素の首長の論理展開を助けるものでなければならない。
価値観
価値観は、価値判断をしている以上もちろん記述しなければならない。たとえば、面白かったと言いたい場合、書評者にとって面白いとはどのようなものかということを書かなければ、独りよがりで説得力の無い書評になる。
具体的な書き方のコツを二点ほど書くと
- 書評を活き活きとさせたい場合は、個人的な体験を記述しその体験から得た価値観というような展開がよい。(実際そのような書評は多い)
- 書評者の人格を際立たせたい場合は、この価値観は複数の書評を通じて統一的にしておいたほうがよい。(評論で生きているような人の書評を見るとそうであることがわかる。)
内容
実際、本は非常に密度が濃い情報伝達ツールではあるが本当に重要な内容は2割もないともいわれる。そんなわけで、読んでいる人に本のどこ部分が重要であると思ったかを端的に伝える必要がある。本を読んで書評を書く以上、この部分の抽出作業は読んでいる過程でなされている。私も斎藤先生よろしく、本には重要、面白いなどの部分を色ペンで引っ張り、色に限らずたくさん線が引っ張られている章や節は目次にしるしをつけておく。だから、書評を書く時にはその目次をみながら、特に価値観から価値判断につながる内容の部分を参照し、読者にわかるように記述するわけだ。
価値判断過程
ここは、価値感と内容を記述しておけば、論理的に書くだけ。単に論理的文章力が必要なだけです。
その他
必須4要素だけでは文字数が足りない場合、他にどんな事を書くか?以下のようなことを書いておきます。
- この本と同じ性質をもつ本との比較やその性質の解説。たとえば、同じ著者、同じ時期、同じ系統などの本と比較する。また、典型的には、同じ著者の本との比較の場合は著者自身の解説などをしておけば文字数は稼げる
- 他の書評に対する批評。有名な本の場合はほかの人が書評を書いているのでその書評を批評(大概は批難)をするということもできる。
- 客観的な事実・トリビア情報。なぜこの本が出る必要があったのか時代背景とか、この本を筆者はどのように描いたのか(ノンフィクションとか)、この本の受賞情報とかとか。価値判断に関係なくても追加していく。これらの本の情報として必要だけど書評の面白さに貢献するものではないので文字数稼ぎ。
- とにかく、書いてみた後に、書いてある単語をより解説する文を書く。これは最後の手段。文章がぼやける。
まあ、そんな感じで書くとあっというまに書評を書けます。ただ、重要なことは本を読むときに、「本から積極的に何かを得よう、感じようという姿勢」であることは大前提です。
- 作者: 山形浩生
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2007/04
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