クーラーを買いに行ったついでに仮説を構築して帰るの巻
クーラーを買いに行ってある事に気付いた。自分が見に行ったのはヤマダ電気とヨドバシカメラ。どちらの店にもメーカから派遣された販売員がいる。
ヤマダ電機の派遣販売員は、当然ながら派遣元のクーラーに詳しい。そのメーカの製品を売ってくる。SHARPならプラズマクラスターのやつ。パナならnanoe。一方、ヨドバシカメラの販売員はそうではない。たとえば、日立の販売員は8畳用なら日立より富士通ゼネラルのほうがいいと言い切っていたし、パナの人も条件によっては他の製品を進めてくるし、除菌だけならSHARPのほうがいいと断言していた。不思議なことだ。
なぜ、ヨドバシカメラの派遣販売員は派遣元以外の製品も積極的に売ってくるのか?
おそらくこういうことではないか。
ヤマダ電気の場合は派遣した販売員の総人月で派遣元に対する何らかの対価を与える。ヤマダに派遣された販売員は、派遣されたら無茶しない程度に自社製品を販売したいだろうし、派遣元からもそう言われているだろう。
一方、ヨドバシカメラは派遣販売員のヨドバシにおける総売り上げに対して何らかの対価を与える。また、おそらくヨドバシが与える対価は、「そのメーカの製品を引き受ける最低限の量」などを増やすいうものなのだと思う。となると、ヨドバシに派遣された販売員は自社であろうが何であろうが、とにかく売ることが目的となるはずだ。派遣元も自社製品に関係なく売りあげを伸ばしてこいと命令することになる。そうすればメーカは売り上げが増えるからだ。ヨドバシ万々歳。
ではなぜ、ヨドバシはこんなことができるのか?おそらく、ヨドバシはどのメーカのクーラでも必ずすべて売りさばく力があるからではないか。そのため、メーカとしては、ヨドバシが引き受ける量が重要であり、ヨドバシの中での他社製品との競争など全く気にする必要がないのだ。だから、ヨドバシの売り上げに貢献さえして、その対価として「そのメーカの製品を引き受ける最低限の量」を増やしてもらえば、売上は増えるというわけだ。
この話は、結果的には問屋を介した販売戦略におけるプルとプッシュという古典的な話なんだと思う。知っている人にとっては、当たり前の話かもしれない。要は、派遣販売員の売り方の違いから販売エコシステムの参加者の戦略が見えるという話である。実は全然間違っているかもしれないけど。
が、強調したいのは、 日々の生活こそが観察力の向上や仮説構築能力の向上のトレーニングになるなあという話でした。
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