IBMメインフレーム、「15年に一度の大型アップデート」

IBMメインフレーム、「15年に一度の大型アップデート」

日本IBMは2017年9月13日、大型メインフレームの新機種「z14」の出荷を始める。現行機種「z13」から2年ぶりの新製品を7月18日に発表した。暗号化機能などセキュリティ面を大幅に強化したのが特徴だ。専用OSの新版「z/OS V2.3」も9月中に出荷する計画。サイバー攻撃対策を急ぐ企業の需要を取り込み、需要減の逆風に挑む。

クラウドの普及もあり、メインフレーム市場を取り巻く環境は厳しさを増している。電子情報技術産業協会JEITA)によると、2016年度の国内メインフレーム市場の出荷総額は前年同期比29.0%減の315億5200万円。米IBMの業績は21四半期連続の減収で、2017年4~6月期のメインフレーム事業は前年同期比33%減だった。

メインフレーム市場を巡っては日立製作所がハードの製造撤退を決めている。世界で唯一、積極的に事業展開するIBMが戦略の正しさを証明するには、メインフレームの引き合いをシステム構築やクラウドなどの受注につなげて減収をストップし、結果を示すしかない。

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