基幹系もいよいよクラウドの時代へ――日本企業のIT環境としての最適解は、どのような形態か

基幹系もいよいよクラウドの時代へ――日本企業のIT環境としての最適解は、どのような形態か

アプリケーション視点でのクラウド化検討

 具体的には、企業内の業務全体をアプリケーションポートフォリオとして可視化し、下記の項目を評価、決定します。

  • アプリケーション間の結合度評価(データ連携規模やデータベース共有の有無など)
  • クラウド化への親和性評価(OSやミドルウェアの調査とクラウド化難易度評価)
  • アプリケーション自体の複雑度、規模を考慮し、「アプリケーションがどの稼働環境(IaaS/PaaS/SaaSもしくはオンプレ)に向いているか」の評価

レガシーシステムという側面

また、基幹業務に関しては、非機能側面でのクラウド化のハードルとは別の視点として、レガシーシステムという側面もある。

  • 利用技術の老朽化
    • 古い技術に対応できる技術者の確保が困難
    • ハードウェアが故障すると代替がきかない場合がある
  • システムの肥大化、複雑化
    • 機能の追加、変更が困難であり、現行業務の遂行や改善に支障を来す場合がある
    • システム変更が難しいため、外部に補完機能が増えたり、人手で運用をカバーしなくてはならかったりする場合がある
  • ブラックボックス
    • ドキュメントなどが整備されておらず、属人的な運用・保守状態にあり、障害が発生しても原因がすぐに分からない場合がある
    • 再構築のために現行システムの仕様再現が困難

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基幹系システムの課題 システムの保有状況別 経営上の深刻度(現状) (出典:「企業IT動向調査報告書2016」著者・編者:日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)、発行:日経BP
「企業IT動向調査報告書2016」 ユーザー企業のIT投資・活用の最新動向(2015年度調査) | JUAS 一般社団法人 日本情報システムユーザー協会

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