アブストの大切さ

よく鳥越俊太郎とかジャーナリストとか朝刊五紙を読むとか行っていたが,そんなもん意味あるのかと俺はいつも日刊スポーツ.

しかし,今日はその意味に気づいた.迫力のある記事とは何か.
下の記事を見よう.
事実は一つである.しかし,記事とする観点の違いで記事の迫力ががらりと変わることがわかる.

「好きな曲流れず腹立った 神奈川、ラジオ局爆破予告の男逮捕」
朝日は非常に一般的に事実のみを書いている.
〓 神奈川県警戸部署は1日、好きなリクエスト曲をかけてくれないことに腹を立て、ラジオ局を爆破するなどと脅したとして、脅迫の疑いで同県小田原市内に住む無職の男(37)を逮捕した。
〓 「ゴールデンウイーク中にランドマークタワーを爆破する。飛行機をハイジャックして突っ込む」〓
ぐらいで,まあ見逃すような事件である.

しかし,共同通信
「好きな曲流れず腹立った 神奈川、ラジオ局爆破予告の男逮捕」
暴力団右翼団体の関係者を装い
 〓 男は演歌の大ファンで、山本譲二の「みちのくひとり旅」や八代亜紀の「雨の慕情」などをリクエストしたが、〓
と主体の特徴の観点で事件の特徴を際立たせ,

また,時事通信
「「タイヤキくん」かけないと爆破=FM局脅迫の37歳男を逮捕〓横浜 」
 横浜エフエム放送(FMヨコハマ、横浜市)に「およげ!タイヤキくん」など自分のリクエスト曲を流すように要求し脅したとして、神奈川県警戸部署は1日、脅迫容疑で同県小田原市寿町、無職---容疑者(37)を逮捕した。 
という,客体に注目した観点で事件を示している.

本当は、主体と客体に注目していれば
吉野家で「牛丼ない」と因縁、店員殴る

暴力団員「ドラえもん」をレンタル延滞料金踏み倒しで逮捕(Ref VOW)
と匹敵するレベルの事件であることがすぐ理解されたはずである.
残念だ.

今、手元に木下是雄 著「理科系の作文技術」という本がある。

その中で論文のタイトルとアブストがいかに重要であるかってことが書いてあった.
こういう例を見せてくれると,俺も論文でタイトルやアブストをもっと大事にしたと思う.

けど,このおっちゃん演歌の大ファンだってのになぜタイヤキ君で捕まったのだろう. ここにイラク報道にも見られたマスコミの情報操作の深い闇を感じずにはいられない.