最初に書くか最後に書くか

段落の書き方として,トピックセンテンスという概念,つまり言いたいことの要約を段落の最初に書けという話がある.一方,文章の流れとしては,読み手のマインドモデルに沿うように既知のものから未知のものを書くようにというに主張もある.
この二つは矛盾している場合があり,その場合どちらも満たすようには書けない.トピックセンテンスと言うのは,通常読み手にとって未知の主張である(そうじゃないと読み手にとって重要じゃない)からだ.さらに,未知の主張ぐらいであればいいのだが,その中で利用されている言葉の意味すら知られていない場合もある.
たとえば,

「カバレージを正確に計測することは構造テストの実施にあたり必須である.」

という主張を段落の最初に持ってこようにも,カバレージや構造テストの意味を知らない人には,わけがわからない. 自分はそういう時は,言葉の説明や主張の根拠を先に書いて,最後にトピックセンテンスとなる文章を持ってくるほうがしっくりすると思う.そうではなくて,やはり,とにかく最初に主張を持ってくれば「意味のよくわからないこの文章がひとまず主張らしい.で,わからないので先を読むか」となって,よいのだろうか.