白い巨塔を改めてみて

 突然白い巨塔のDVD phase2を買って、今日、家で、感情をさらけてもいいような、仲のいい友達何人かと家で見ました。最後のほうとか感動しますね。友達もいるのに最後のほうで涙しました。私も財前教授と同じ立場になったら言うでしょう。「ただ無念だ」と。
 この話の解釈はどうすればいいのでしょう。今なら全体最適と個別最適をあわせるのは難しいということでしょうか。話として、「医療のため」という誰も否定できない全体最適が善とされます。けど、システムとして物事を捉えれない被害者(佐々木よし江)、小市民的な価値観(里見助教授の奥さん)、権力に上り詰めるという価値観(鵜飼教授、財前又一)、研究第一の価値観(里見助教授)、甘えた抽象的理想を追い求める価値観(東佐枝子)、権力に上り詰める価値観を助ける価値観(東政子)、既存のフレームワークにおいて理想とすべき価値観を追い求めるクロックだけが早い秀才たち(弁護士連中)、ただただ、息子のことを考えるお母さん、愛人という一見特殊な概念を自分のプライドとして、それに当てはまる自分を探す女(花森ケイ子)、ヒーローにしがみつくことに価値を求める人たち(佃さんとその一派)。みんな、「医療のため」という前では、自分の価値観が部分最適であることを否定できることは少ないのではないでしょうか。けど、それが普通の人間です。みなそれを守ります。それを考えていかないといけないと思いました。
最近、ようやくドラマを作った人の気持ちを理解できる年になりました。何気ない言葉が、自分の心を揺さぶります。ああ、この脚本を書いた人はこういう経験をしたんだろな、ってわかってきたのはようやく今頃です。

白い巨塔 DVD-BOX 第二部

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