マッサージ業界での価値決定のしくみは

 最近、全身の倦怠感がひどかったので、ものはためしとマッサージを受けた。これが意外に効果がある。この5年ぐらい、俺はずっと肩こりのために疲労感があり、それから開放されるとエライ楽になることに、この年になって初めて気づく。なんでもやってみるものだ。
 ちなみにマッサージは、基本的に何種類かの方式とその方式を実施する時間で値段が決まる。つまり、うちらの業界と同じで、人月ベースで値段が決まると言ってよい。つまりコスト+αの値段設定。決して、顧客である俺がどのぐらい楽になったか、それに対してどの程度、俺が価値を感じてお金を払おうとするかで決まるものではない。
 マッサージ業界は、IT業界よりはるかに歴史は長いと思うのだが、人月を根拠としたコストベースの値段設定に疑問を呈したりする人はいなかったのだろうか。日本マッサージ協会(あるんかいな)とかで、マッサージによって客が感じる真の価値から値段を決めるべきだとかそういう議論がやっぱされていたりするんだろうか。そして、そのためには、お客の感じる価値の定義とか、そのメトリクスを決めて、その測定手順を決める分科会を立ち上げましょうとか、じゃあどの店でまず導入トライアル実験をしてみましょうかとか、そういう話をしてるんだろうか。
 まあ、新橋とか歌舞伎町とかでマッサージ30分5000円よ、とかいって客引きしているようなところは、一度店に入ってしまうと、マッサージする側とされる側の交渉によって、さらなる提供する価値とそれに対して払う価額が決まる仕組みになっている(提供する価値が何かは書かないが)、そういう意味では新橋のマッサージ屋さんのほうが、よっぽど先進的なしくみでビジネスを回しているということになるが、世間の言葉で言うと、こういうのを竹の子をはがす系のボッタクリ店と呼ぶことになる。
 っていうか、乱立しているマッサージ屋の中で、本当のマッサージ屋か単なるマッサージの名前を関した風俗なのか、どっちかはっきりしないのはなんとかならんのか。これは、「マッサージ屋」という業種でお役所に店を登録すると、風営法にひっかからないので、いろいろ便利だから(たとえば営業時間とか)ってのが要因なのだが、俺は単に肩こりを治したいだけだったんだけど、なんか店に入った瞬間違うんですけどみたいな店があって面倒。