パパ問いて曰く、今日のお昼はラーメンありやと

先日、いかに孔子さんがいいことを説いているかについての感想を述べた。これは事実だ。下手な自己啓発本よりはるかにそのココロを述べた話が多い。
おれは、へたな自己啓発本は読んで、まあ自分で実践できるようになってきたなあ、そのなってきたココロをもう一度整理したいなあと思っているあたりの人生の中級者、おそらく30代の人たちの改めて論語を読むことを勧めたい。おれも36でようやく意味がちょっと分かってきた気がする。
で、これを兄に紹介して、兄の家の甥と姪がそのリズムに反応してちょっとしたブームになっているとかいないとか。

パパ問いて曰く、今日のお昼はラーメンありやと
ママ曰く、それは、無しと
パパ問いて曰く、それでは、ニューメンありやと
ママ曰く、ソーメンあれど、トッピング無しと

すごい。論語のリズムのいいところを取り出し、彼、彼女のなかで今思っている事実をうまく韻をふんで表現している。


実際、ヒップホップは日々の日常をリリックに乗せる、日々訴えたいことというのが基本だ。

たとえばEasy-Eの”Easy Street”なんで実際中学生のようなリリクだが、彼の日常であるのであろう。


おおよそ、「このストリートは俺のもんだぜイエイ」と言っている。'95年エイズにより死去。享年31歳。

海外のヒップホップはギャングスタ、マッチョ系が主流だが、彼らがそのようなことをリリックしなければならないということを如実に表しているのだ。だから、彼らの主張していることを真摯に社会は捉えなければならないのだ。一方、日本のヒップホップは、彼らと比較するとおとなしいというか、地元への愛とか正しさの重要性などを訴えることが多い。その点から日本のヒップホップがしょぼいという人がいると思うが、それは違う。日本で一番問題なのがそれなのだということを示しているのだ。つまり、かれらのそういったリリックに素直に耳を傾けると日本の今の問題が出てくるのだ。要するに、その場の環境において本当に訴えるべきことを訴えることができるのがヒップホップ。結果として環境が違えば、訴えることも違う。

そんなわけで、甥と姪からみえる世界の現状をしっかりリリックにして、なおかつ、クラシックといえる論語を大胆にサンプリングしてラップできる才能。彼らは絶対MCとしてもDJとしても日本のヒップホップ界を担える人材になりそうだ。兄がそれを望むかはしらんが。


HIpHop史上最高の市民HipHop"It was a good day" 。Ice Cubeは、一部ではトーマスマンや北杜夫を越えたといわれている。実際この「ある普通の日」は、なんともない日を表現したリリックがいいです。途中の「ハイスクールのミスにひさびさに会って、俺のトップガンが最高って言わせたぜ」ってのがなんというか :−)
それがアイスキューブクオリティ