科学

 知っている人は知っているし知らない人は知らないと思うが、自分は理系出身だ。工学とか科学とか論理学とか数学とかそういう学問を日本人の平均よりは理解しているつもりだ。それでわかるのがそういった学問の限界なわけだ。工学とか科学とか論理学とか数学っていうのは、それを知っていると知らない人に比べてはるかにこの世の真理がわかる、それゆえこの世を対象として自分にとって得なことをするための武器を持っているはずのものなわけだ。定義的には。当然知っているほうが幸せなはずである。しかし、知り合いは自分よりそのような学問に対する知見がない人もいる。しかし明らかにわかるのは、だからといってそういった人がその学問に対する知見のなさに起因して世の中の真理を利用して幸せになることにおいて自分より劣っているかといったらそんなことはない。つまり、それがそういった学問の現時点の限界である。学問は現実の世の中に対する真理を効率的に獲得するツールであるが、それは決して科学を知らない人が真理をより知りえない結果、自分の幸せに変換することにおいてもかなわないということはないのである。まあ、いくらよいはずのツールを持っていてもそれをどのように使うかによって、そのツールから得ることのできる効用は違うのである。こんな当たり前胃のことについて分かっている人はどの程度いるのであろうか。
 俺は科学が基本的に嫌いだ。特に科学万能主義の人が嫌いだ。科学なんかさっきも行ったようように単なるツールだろう。それをわかっているのだろうか。確かに、科学的に証明された真理は非常に高い確率で正しい真理として再利用が可能な知識体系である。しかし、科学の定義はその「手続き」によって証明されているのであり、真理的かどうかで定義されているわけではないのである。このあたりはSyntaxとSemanticsの違いをわからない人には何をいっているかわからんだろう。とにかく、俺は科学とか工学とかを万能と思っているやつをみると吐き気がする。彼らは科学を用いて得られる知見をたくさん知っているかも知れんが、科学とは何かが全く分かってない。おれの働いているコンピュータの世界では理由はわからんがやたら科学とか工学とか万能主義と思っているやつが多い。もちろん俺が尊敬している後輩や先輩や上司はそんなことはないし、気にすることもできないようなやつは逆の意味でわかってない。しかし多くの中途半端な奴に限って科学、工学万能主義だ。やだやだ。