The latest technology in 1996

1996年,まだJavaは最新技術だった. IPはもっと長くなるはずだった. お金はネットワークを駆け巡っているはずだった.
カメレオンは常に一緒だった.MSNは海の向こうから来たパソ通だった.FDは最高のファイラーだった.一太郎はRAMディスクにちょこんとおさまっていた.みんな,女よりルーテインングプロトコルに夢中だった.config.sysをいじれる人間の前に男達は畏怖した.

そんな時代があったのだ.その時,君の目の前には何があったのか.そう,幕張メッセの6月には無限の可能性と際限なく続く期待感があった.駅からメッセへと続く道は未来への道だった. 確かにダフ屋のおっちゃんもいたけれども.

1996年,インターネットは時を超えて,空間を越えて,その先に何かがあることだけは教えてくれた.確かに,足の長いお姉さんの姿を通してみたまぼろしかもしれない.バブリーなグッズを宝石と勘違いしたのかもしれない.しかし,それだけでない何かが,太平洋の大海原から吹いたのを感じたことも否定は出来ない.しかしそれが,何かは誰もわからなかった.

しかし,時がたつと,僕らの目の前から足の長いお姉さんが一人消えた.そして,二人消えた.そして僕らも,その場所に二度と足を踏み入れることはなくなった.

それから何年かたった.その間に悲しい別れもあった.

隅田川沿いのビルの8F. そこから,俺たちに長い第8層の旅が始まった.苦しい旅だとは誰も思わなかった.上には何かある.そうやって這いつくばって登っていった.飛行機とかは使わなかった.マイレージもたまらなかった.

なぜなら,XMLってとんでもないやつが俺らに味方すると誰もが思っていたのだ.そんな2002年が始まろうとしている.

(「博士の愛したOSIプロトコル第5層」冒頭から)

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1996年,つまり私が入社した頃,どんな技術がはやっていたんだろうか.そして,ガートナーのハイプカーブを乗り越えれた技術はどれだろうか.

1996年に買った最新技術リスティングの本を見直す.(よく持っていたなあ)
どういう技術は残るのだろうか.あまり規則性がわからんなあ.

乗り越えた技術たち
・ CSS1
・ RealAudio
・ インターネットテレフォニー: 一度だめになったけどね. ハイプカーブに乗った典型か.
Java: 文句なしの受賞.
日本ベリサイン: 96年に誕生している.
CGI: 96年では最新技術.サーブレットなんかなかったみたい.
・ プライベートアドレス: いわゆる10.X.
・ OTP: SecureIDはよいね.

消えていった技術たち
・ マーキー:IEの特別タグ
VRML :3次元空間をWebで表示するやつ,当時3次元インタフェースが流行ったなあ.
・ テレスクリプト: よく知らない.とか言ったら殺されるか.
RSVP,ST-II: ここに持っていきたくはないが...
・ MBone,マルチキャスト: これは今後はわからんけど.実は使われているのかもしれないし.
・ PEM: 1年目につかったけどなあ.
・ Notes: こんなに消え去るとは.(まだ使っているところは多いだろうけど)
・ NSAPI: 使っているところあんのかなあ.ISAPIはまだ使われていると思うけど.
・ SET,STT,SEPP: クレジット決済の複雑なやつ.消えた.ざんねーん.
・ 電子キャッシュ: ネットワーク型はだめだったなあ.

微妙な技術たち
IPv6: 微妙.今後があるのかもしれない.(と思っているのは元ネットワークな人だけか)
S/MIME: メールをセキュアにしたいならPGPかこれしかないもんなあ.