小泉4周年にむけて

2001年4月30日.私は,仕事を終え,ワシントンDCから成田に向かう飛行機に乗っていた.
この出張で,一つの仕事を終えた.しかし,日本に2泊した後,ヨーロッパに行かなくてはならない.
ヨーロッパへの飛行機の中は,おそらくJBuilder 3.5とTOMCAT3.0とebXML0.98bの仕様を片手にプロトの実装に追われているだろう.この帰りの機内は,ゆっくりしたかった.だから,ビジネスクラスの特権の離陸前のシャンパンとナッツをCAからのサーブで楽しんでいた.

私は,猫を撫でながら,シャンパンを飲み,ホリエモンと揶揄される今より,10キロも軽い体で,しかし,ビジネスクラスにTシャツ姿でふんぞり返るその姿はホリエモンの片鱗をみせながら,それは広いシートに腰を下ろしていた. そして,地に着かない極端に短い足を無理やり組み,それは日本のすばらしいビジネスマンらしく,ニューズウィークに目を落としていた.

目の前の記事には,先日首相になった小泉が写っていた.「彼は日本を変えるか?」そんな記事だった.その時,私の頭には「小泉が辞める時ってどんな感じになるんだろう」,ということばかり浮かんでいた.それは,目の前にあるニューズウィークの記事が全然わからなかったからであるが.
にしても,その時,小泉には90%に近い支持率があったはずだ.イロイロ考えたけど,その小泉がそれまでの首相のような惨めな辞め方をするイメージが浮かばなかった.気づくと飛行機は,私の自宅があった葛西への旅に誘っていた.

あれから気づいたら4年.未だ,小泉は辞めそうにない.

世の中は変わったのだろうか. 政治は,テロ,イラク戦争,拉致とかあったけど,真面目に議論せずに,なあなあで進んでいるっていう意味では,何も変わっていない気がする. 小泉は,なあなあで真面目に議論しない危険性の証左を,これでもかと示してくれている.しかし,誰も気にしていていない,むしろ無視している. むしろバカバカしいぐらいわかりやすい森のバカさ加減にばかり目を向けようとしている.

一方,経済界に目を向けると,銀行業界がある程度整理された.一段落した結果銀行側に傷がなくなった.その結果,昔ならあり得ない,経営者の退場が現実に起こってきた. 堤とか,肉のおっさんとか,某新聞とか,ダイエーとか.しかし,ライブドアの騒動は「都合の悪いことは,陰でやれ」が今でも正しいことをみんなに教えてくれた.

俺の世界では,なんとなーく,ミドルやツールのバージョンが2から3ぐらいあがった.ただし,JBuilderは2002ぐらい上がったが.あとWS-**が死ぬほど増殖した.みんな,3文字アルファベットは17K通りしかないことに気づいていないかのように作り出しては,ゴミ箱に捨てている.他には,「ドリブン」と「オリエンテッド」という外タレがレギュラー8本ぐらいを持ってそうな人気になった. 一方熟年ソフトの世界では軽量がもてはやされ,みなダイエットに励んでいる.その他にキタものといえばEclipseぐらいだったか.

そんななか,俺は10キロ増えた.γGPT値は,20倍近くあがった. 4年で4歳の年を重ねた.ただ,それ以外余り変わっていない.まわりでいうと下にすばらしい人がたくさん増えたことぐらいであろうか. 毎年4月の頃に会社の近くでセンターラインのサッカーボールを,蹴るぐらいで特に変わらない.そういえば蹴った球は誰が片付けているのか.よく知らない.それより,俺らの蹴った球は,誰かドリブルしたのだろうか,誰かパスをしたのだろうか,誰かシュートしたのだろか,それは知らず蹴ったら9Fの飲み会に行く.そんないつもの4月が毎年にのように訪れる.

この4年,自身はebXMLと一緒にちょっと森に迷い込んでしまった気もする.XMLは本当に味方だったのか.いわんやWebサービスは.そのこうもりのような姿に自分の態度を決めかねているのに,まだオレは,XMLを追っている. われわれはどこから来たのか。われわれとは何か。われわれはどこへ行くのか。
ゴーギャン われわれはどこから来たのか。われわれとは何か。われわれはどこへ行くのか