たぶんパチンコは絶対儲かる

 今日、銀座に朝いたら、なんか戒厳令が敷かれたようなものものしい雰囲気だったのは、このせいだったのか。で、この話題。
「パチンコは儲かる」
 パチンコは儲からないという話をよく聞く。主張の理由は簡単明確で、換金率やら設定による期待値の上下なぞ関係なく、パチンコ屋は儲けがないといけない以上、期待リターンが投入したお金を絶対超えないからだ。普通に考えればそのとおりだ。しかし、パチンコをやっている人に聞くと絶対にパチンコでトータルで勝ち続けている人がいるように聞く。どうなっているんだろうか。
 「パチンコ屋が儲けなくてはいけなくてはので、客は勝てない」というのは理にかなっている。逆に言うパチンコ屋さえ儲かっていればよいのである。そのパチンコ屋さんにお金を貢いでいる客の中に格差社会ができていてもなんら問題ないはず。
 で、すべての客に平等に期待リターンどおりになる平等なパチンコ屋と、客に関して明示的に勝ち組と負け組みができるパチンコ屋どっちが魅力的に感じるだろうか?たとえば、「ヒューマン2.0―web新時代の働き方(かもしれない) (朝日新書)を読むとアメリカでは、国民の19%が「自分は国のトップ1%の稼ぎ」、次の国民の20%が「一生のいつかトップ1%の稼ぎができる」と思っているのだそうだ*1。要するにアメリカ人ってのはかなり能天気なわけだが、そこまでとはいわずとも平等に期待リターンになる店より、さっきの例で言う後者、パチンコ「アメリカンドリーム」のほうが魅力的ではないだろうか?つまり、儲かりたいパチンコ屋は、人工的にアメリカンドリームを作ろうとするんじゃないだろうか。それなりに努力したり技能があれば儲かるようにしているはずだ。そして、「このパチンコ屋にはそれで食っている人がいるぞ」みたいな噂になって人が集まる。そういうシステムにするはずだ。もちろん、簡単なやり方で誰でも儲かるやり方じゃ格差ができないし、パチンコ屋が儲からない。だから、それなりに客の限定的なリソースを代償として儲かる方式(典型的には、時間。朝から並ぶとか)、それなりの才能がないとできない方式とか(典型的には目押し。俺は結局あれができる人が不思議すぎる)を使うのであろうが。
 確かに、パチンコ屋に集まる人は別にトータルにお金を儲けたいわけじゃなくて、時々大爆発するギャンブル性に対して「お金を払っている」と考えると別にトータルで儲かってない状況でも時々大爆発させておけば客は集まってくる(つまり設定をランダムに上げ下げしておけば喜ぶ)という考え方もある。ただ、そもそもギャンブル性の源泉がお金である以上、その人たちの本音は「トータルでも儲けたい」であろう。だから、絶対パチンコ「アメリカンドリーム」に人は集まるし、淘汰的にパチンコは「アメリカンドリーム」方式のはずで、結果、どのパチンコ屋でもやり方によっては儲かるはずなのだ。
 まとめると、パチンコは儲かる。ただ、機会費用のことを考えなければならない。さすがに今の俺は、朝パチンコ屋に並ぶより、会社に毎日行ったほうが長期的には儲かるので、パチンコ屋に朝並ぶ事はないだろう。ってうかパチンコって何が面白いかまったくわからないし。
↓ インスパイ by この本。ただし、この本はパチンコは期待リターンが低いからやるのはあまりよくないという趣旨のことを書いてあるので、主張は異なる。

*1:1999年ITバブル終了前の統計だが