破綻した府に捧げられた破綻している論理

「数値目標」が判断を誤らせる

タレントで弁護士の橋下徹氏は財政再建を旗印に選挙戦を戦って大阪府知事に当選しました。2008年2月6日に行われた知事就任後最初の記者会見で橋本氏は「財政非常事態宣言」を出しています。今回はまず、この「非常事態宣言」という言葉に注目してみましょう。
 辞書で調べると「非常事態宣言」とは、主として国家の運営が何らかの理由により破綻の危機に瀕し、これに対して「平時の法制を超えた措置を実施すること」を最高責任者が発令するものとされます。テレビの演出にも通じているはずの橋下氏やそのブレーンたちは、あくまで比喩、ないしキャンペーンとして、この「非常事態宣言」という言葉を使ったのでしょう。しかし、言葉の定義を厳密に考えるなら、これは大変に不用意なことです。なぜなら選挙という民主的な手続きで選ばれたはずの候補者が、知事に就任早々「平時の法制を超えた強権」の発動を宣言している、と誤解されても仕方がないからです。
(以降、ナチスとか持ち出して唖然とする強引な非難が続く)

 財政が破綻している大阪府を改革しようとしている橋下知事へのアイロニーなのか、完全に破綻した論理でこれでもかと反論している文章。 よくここまでネガティブな印象を与えることを目的とした文章を書けるものだ。 これはすごい。 論理の八艘飛びや強引な全称化、何ら関係のない一般的に悪とされる事象の提示、反論しようのない正しい一般論、不都合な事実は示すが正当性を示さずに相手への反論に転換、などテクニック満載。
 新人がこんな文章を書いてきたら真っ先にクビにするね。