software factoriesと一級建築士の偽装

<耐震偽造>大半関与の木村建設が民事再生法申請を検討

木村建設は、姉歯事務所が計算書を偽造した完成済みマンション14棟のうち11棟で、設計や施工を担当し、姉歯事務所に構造計算を依頼していたことが分かっている。役員は「姉歯が偽造しているとは思っていなかった」と偽造への関与は否定している。


この偽装をした一級建築士は、なぜこんなことをしたのだろうか?

だってさ、
 この偽装は、普通に考えれば材料代や建設の人件費が浮く建設会社はうれしいだろうけど、アーキテクチャを設計する建築士はうれしくないだろう。あるとすれば、より広い居住空間を確保できる構造にしたほうがコンペに通りやすいとかあるのかな。
 また、この業界はソフトウェアのアーキテクトと異なり、ほとんど定石みたいなものを持っていると思っていたソフトウェアファクトリズの考え方のように、ホテルならこういう手順、マンションならこういうい手順っていう、かなりしっかりしたプロセス定義や成果物のメタモデルやプロトタイプ、そして専用ツールとかが出来上がっているものだと思っていた。だから、アーキテクチャの品質の高低が、ソフトウェアの世界と比較して、設計にかかる費用にそんなに差異を生むとは思えない。じゃあ、なぜ、建築士は、偽る必要があったのか。
 まだある。俺らの世界で言うプログラマに当たる大工さんたちは、一瞬でこの設計はまずいと思ったと信じたいのだけど、そんなことはなかったんだろうか。大工さんたちは、初心者プログラマみたいに黙々とPD書をコードに変換するだけなんだろうか。いや、職人である彼らはそんなわけない。いえない立場にあるのだろう。そういう組織論的な構造は、うちらの業界と同じかもしれない。

 あと、気になるのは、本当にこの建築士だけのことなんだろうか?実はみんな暗黙の了解でやっちゃっているんだけど、なんらかの理由でたまたまこの人が狙い撃ちにされたのではないか。
そして、なぜ今なんだろうか?官僚側の思いにたてば、もしかしたら規制緩和は、こんなことも起こるよってのを訴えたかっただけかもしれない。
いろいろ、考えさせられる事件ではある。

耐震強度偽装、新たに都内のホテルも
ちなみにこれってうちの会社の近くに最近できたホテル(京王プレッツイン茅場町)だったが早くもつぶれるのか。