巨人の背中に乗る

 先人たちは偉い。最近よく思う。小学校のころだろうか、お風呂に入っていて、下図のようなお風呂の壁の丸いタイルが敷き詰められた部分をボーっと眺めていた時に、なぜだか突然1+2+3+...+nっていう計算は、n*(n+1)/2とすればいいということを思いついた。

その時、俺は天才じゃないかと思って、「ヘウレーカ」と叫んで風呂を出ようかと思ったぐらいなわけだが(うそ)、ご存知のとおり、これは、ガウスが200年以上前にやった逸話と同じだ。つまり、こんなこと20世紀に気づいてもしょうがない。要するに、自分は偉いと思って、困った時に自分でうんうん考えるより、googleに聞いた方が早いのが普通なのである。最近、経済学の本をよく読むが、よくこんなこと考え付くよなあという話は、ずーーーーーっと前に偉い人が、考えている。改めて言うが、偉い人は、ほんと偉い。そして、過去にさかのぼると偉い人はたくさんいる。そして偉い人は、彼らの膨大な知識を体系化し、われわれに残してくれている。なんていい奴らなんだ、偉い人。
 新しい分野について何か挑戦しようとする時は、得てして自分でモノを考えて、さらに悪いことに自分が始めての発見じゃないかと思って興奮するわけである。しかし、驚くほどその考えは陳腐であったりする。 またもやgoogleの高林さんの名言集からの引用ではあるが、「にわかな奴ほど語りたがる」というのがある。最近ちょっと仕事の方向性を変えた。そのためか、いろいろ発見の連続であり、お、俺ってすごくねとか思う時がある。しかし、自分が思いついたことは、決して自分発の思い付きではない可能性のほうが圧倒的に高いのである。だから、まずは先人たちの積み重ねていった基礎をがんばって勉強することが大事なんだなあと、さっきまで、CACMの2006/12月号のSoftware Product Line Engineeringの特集記事を眺めていて、そう思いました。ニュートンの言うとおり、私たちは、「 巨人の背中に乗って」少しでも世の中の技術を発展させれることができればいいですね。

"If I have seen further it is by standing on the shoulders of Giants." - Issac Newton