イスラム法対応日本株指数

 J-SOX法対応のIT投資!ってのは、バカの一つ覚えみたいにたくさんある
 ところが、「イスラム法に対応した日本株指数」である。今日の日経新聞によると、「イスラム法に対応した日本株指数」があるそうな。そして多分その指数を基にした投資信託があるのだろう。イスラム法を遵守したい投資家はこれをどうぞっていうこと。宗教料理と同じ。イスラム法に対応するというのは、たとえば、酒、タバコの会社は除外、利子を取る金貸しを禁止しているため金融全般がアウト、金融を利用している会社、つまり自己資本率の低い会社を除外、とかそんなことをしているらしい。豚肉作っている会社もアウトだろう。こんなインデックスを作ったりそれをもとにした投資信託を作るのは、当然イスラム教を信じる人が多いオイルマネーを持つ人を狙っているわけだ。まあ、IT先進の街、茅場町/箱崎にやたらとベジタリアン料理の店が多い*1のと同じ理屈で、金が集まるところにそれを回収する仕組みが集まるのかと。
 けど、こんなインデックス、イスラムさんにいい事をやっているように見えるが、結局はまた欧米投資家にいいようにやられるだけだろう。何せ投資比率をどのように構成するかの判断をイスラム法というかなり変化のない基準に求めているんだからわかりやすいことこの上ない。つまり、このインデックスを基にした投資信託は、今後どのような注文をするかを公開しながらやっているようなものだ。
 過去にインデックス投資ファンドが、その性格上必ずインデックスと同じ比率になるように株を購入するため、たとえば、東証一部全体の市場インデックスを比率として持つことにしているようなファンドは、東証一部に上場する会社の株はそのタイミングでどんな価格になろうとも絶対に成り行きで買わないとならないわけで、通常の常識的な評価額より高い価格がついていたらしい。それを見越して東証一部に上がるときに大量に買っておおもうけというのが外資ではやっていたそうな。
 結局,経済合理性以外の理由*2で投資をし、どのような理由で投資しているのかを公開しているようなやつは、ポーカーでカードの表を他のプレイヤにみせて、さらに次何をだすか独り言でぶつぶつを言っているようなプレイヤみたいなもので、勝負にならないのだ。今回もそれと同じような仕掛けができそうで、結果的に儲かるのは、イスラムの人でなくそれ以外の欧米投資家ということになりそうだ。
↓上記話を書く上での参考図書

*1:インド出身の方が多いので

*2:通常のインデックス投資は,効率化市場仮説に基づいているという意味で経済合理性があるといえていると思うのでこの話とはちょっと違う